(公務員)知ってますか?役所を動かす方法!
役所のお客様は、「住民」
役所には多く人が訪れた沢山の意見や要望が届けられます。
しかし、どれも役所の仕事にすることはできないことばかりだったりします。
今日は、役所(行政)を外部から動かす方法についてお話しします。
役所の仕事とは
役所は、地方自治体のこと。
そのお仕事内容は、地方自治法をはじめとして多くの法律によって定められている(かなり大まかにね)。
役所の意思決定の方法
お役所には選挙で選ばれた首長(県知事・市長・町長・村長など)が組織のトップに君臨しています。
そのトップの役割は「行政組織の意思決定」です。
意外に認識されていないのですが、部長・課長・平職員など、首長の下にいる人たちは、本来、「何かを決める」権限を持っていません。「役所の意思決定は全て首長が行う」こととなっています。部下たちは、トップを支える手足にすぎないのです。
しかし、行政の業務は大変幅広いため、たった一人の人間が理解し判断することは、不可能。
そこで、ルールを作っています。
ここまでは部長が決めていいよ
ここまでだったら課長で決めていいよ
このようにルールに応じて、部長や課長たちが「首長の意思決定を代理」するという形をとっています。
なので、簡単なことであれば部長や課長で決めることができます。
その意思決定のプロセスのことを「決裁」といったり「凛義」と呼んでおり、そこでできた文書は、行政が正式に発した文書「公文書」となります。
ですので、こと意思決定や判断を決裁する権限をもたない平職員が、何かしらを決めるという行為は厳禁なのです。
※ですが、現実すべてがそうではなかったりします。
議会の存在
政治経済や公民の勉強をされた方はご存知でしょうが、「立法機関」として自治体ごとの議会が存在します。住民代表として選挙により議会議員が選出されます。
行政は、議会に対して、「予算案」や「各種議案」を提出します。議案は、条例の改廃だったり、新規事業だったり様々です。議会はこれを行政と異なる視点で審議し、議決すれば、事業が実行される仕組みです。
ちなみに議会と行政の関係が悪いと、行政の仕事は一切すすみませんむしろ後退したりします。感情や、しがらみで仕事をしない議員を選ぶために、必ず選挙にはいきましょう。今後、各議員の質の低下や、なり手がない状況がますます問題になるでしょうが、それはひとまず置いておいて
あくまで、議員は、「選挙で選ばれた住民代表」です。
その一言一言は重い。ということを知っておいてください。
仕組みをまとめると
上に書いたことをまとめると
(市の場合)
>意思決定する人は、市長(市の場合)
>事務を行う人は、市職員
>行政の見張り役は、議会議員
ということに・・・
役所にしてほしいことがある時
ありがちな話ですが、窓口で大きな声を出して要求をしている人が、ちらほらと見られますが、これはNGです。まず、役所は「言われただけ」では動きません。
文書主義といって、役所は文書化したものでなければ検討も協議も行いません。
じゃあ、どうすれば役所って動くんですか?
先ほどの仕組みを利用するのです。
(1)要望書を提出する
やってほしいことを文書化して提出しましょう。正統性があり公益的であって、事業案を行政職員がつくり議会がそれを認めれば、それは叶います。
(2)議員さんに相談する
議員は住民代表ですから。
その一言一言は重いのです。
議員の言うことには部長課長はヘコヘコです。議員を味方につけスピーカーになってもらいましょう。
ただし、議員さんもすごく忙しい仕事です。
住民の様々な思いや問題を考えなければいけないのですから。絶対に身勝手な意見要望を押し付けないようにしましょう。まず門前払いに会います。ちなみに自治体のサイトに行けば、議会の関係のページに大抵連絡先が載っていますので、電話するなりメールするなりで連絡を取ることは可能です。
(3)市長に直接お願いする
これは裏ルールです。そもそも簡単に会えるような立場じゃありません。ですが、個人的に繋がりがあったり立場のある人が秘書を通して正式にアポイントメントをとって会い行き、話をするのは大変に有効です。
(4)文書・メール
行政は文書主義です。文書を送りましょう。メールを送りましょう。そうするとどうでしょう。記録に残るのです。それを行政窓口で、「これこれこう言う意見を提出したのですが、協議検討されたでしょうか?」と聞くことができます。これもグレーではありますが、行政が文書主義を敷いていることを逆手にとって要望や提案を突きつける手段の一つです。
もっていく提案や意見や要望について
さて、行政を動かす方法は上に書いたような方法ですが、あなたが役所や市長や議員に伝える「内容」が最も重要です。
内容が、適切でなければ、当然誰の賛同も得ることができません。
よくあるのが中途半端な提案を突きつけて
「絶対これはやるべきなのに、行政の奴らは何もしようとしない。」
と、声を荒げ出ていく人がいますが、彼らには欠けている視点が4つあります。
(1)誰が主体となってやるのか
そもそも、それって行政がやるべき仕事ですか?民間や他の団体が行うべき仕事じゃないですか?仮に商工会や観光協会などの団体が担う仕事だったとして、行政がそれを提案する理由はありません。「調整」も「協議」も優秀な行政職員の時間を使う、言い換えれば税金を使う行為です。
行政が行うべき仕事かどうか、よく考えて提案や要望を出しましょう。
また、法律や条例に定められていることに対してのクレームも多いようですが、これは行政職員がどうこう言えない類のものです。諦めるか、自ら議員や立場ある人になりましょう。
(2)公益性があるのか
公益とは、社会一般の利益である。
それがなきゃ、提案も要望も話にならないのです。
だって行政だもの。
(3)公平性に欠けていないか
「一部の人にのみ利益のある事柄」について行政は取り組みません。最近ではその傾向は薄くなっていますが、あくまで公平性よりもずっと得られる公益が大きいと判断された場合にのみ、例外扱いされることがあります。
あなたの意見。あなたが得をするだけの提案じゃないですか?
(4)予算の都合
行政の予算は大きいので、数十万円や、数百万円なんて大したことないだろう、などと考える人は絶対に行政に要望や意見を出さないでほしい。
行政が行う事業は本当に多岐に渡ります。
都道府県なら、道路・河川・治山治水、企業誘致、各種業務の水準の維持向上、警察の管理など
基礎自治体(市町村)なら、道路・戸籍住民登録、消防、ごみ、上下水道、公園整備、保健福祉、文化振興、スポーツ振興、子育て支援などなど、
これら全てを限られたヒト・モノ・カネで実施しますが、当然、全てを100点にすることはできません。あるお金で優先順位の高い仕事からやる必要があるのです。
あなたの提案や要望、企画がその優先順位を勝ち取るだけの説得力を持っていますか?
役所が実施する職務は全てその組織としての意思決定と、優先順位を勝ち取って実施されています。
ですから、説明する力や理論武装のない、スカスカの企画など職員も歯牙にもかけてくれません。
上記のことから役所に新しいことをさせること、というのはとてつもなく難しいことに感じるかもしれませんが、実はそうでもありません。
結局は「人」
いろいろ書いていて最後にこういうのもなんですが、
結局は「人」です。
行政職員も首長も議員も全て「人」。
まとめる力がなくても、職員を味方につけて一緒に考えていくのも一つの手段です。最近ではそのような職員も増えており、行政と住民を繋ぐキーマンはきっといます。探し当ててみてください。
だからこそ、向き合う際に、相手のことを思って話をしてください。自分が正しい。ではなく、相手の言い分と自分の言い分をちゃんと考えて人の役に立つ提案をしましょう。自らの企画を通し、行政の支援や行政の事業にしてしまう例は、数多くあります。まずは、あなたのその思いを紙に書き出しましょう!
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